【REIT】負債コストの上昇による分配金への影響を考えてみた

株日誌

注)この投稿は、専門家でもない私が、自分の考え方をまとめてみたものなので、計算式や考え方の間違いなどあるかと思われます。ご留意ください。
もちろんREITへの投資を推奨するものでもありません。

 

REITの不調が続いている。金利上昇に伴う、負債コストの上昇と東京等のオフィス供給過剰が大きな要因のようだ。

そこで、完全素人の自分ではあるが、負債コストの上昇による、分配金利回りのインパクトについて考えてみた。(その他の要素は無視)

 

負債コストの上昇は、有利子負債x利率上昇分(Δ利率)であらわされる。

このΔ利率と株価利回りの変化幅(Δ利回り)の関係を、REITで使われる指標を用いて計算したところ

 

Δ利回り= – (LTV / (1-LTV))  x (1/NAV倍率) x Δ利率

 

LTV:Loan to Value 有利子負債・資産比

NAV : Net Asset Value 純資産価値

NAV倍率:株価純資産倍率

となった。(あっているかちょっと心配だが)

 

単純にLTVが50%、NAV倍率が1であれば、利率の変動幅が利回りの低下幅となる計算だ。 LTVが低いほど、利回り低下に関するインパクトが小さくなるのは直感的にもわかる。一方でNAV倍率が低いほど利回り低下のインパクトが大きくなるのは要注意だ。ただ、NAV倍率が低い分、株価利回りは高くなっているのでこれも直感的にわかる。

 

問題は、これから負債の利率がどの程度上がるか?

銀行の貸し出し金利や社債の基準になるのは、10年債利回りとTIBOR(東京銀行間取引金利)のようだ。これにスプレッド分上乗せしたものが利率となると理解している。

 

10年債利回りは、日銀のYCC政策により、一時マイナスまで落ち込んだものが、現在0.7%ほどまで上昇している。(一時1%近くまで)

一方で、政策金利とより相関が強いと思われるTIBOR3か月ものは、現在も0.1%程度

 

こうした状況の中で、各投資法人は、長期からTIBORを基準とした短期あるいは長期でも変動金利へと借り換えを進めているようだ。

 

マイナス金利解除、ゼロ金利解除により、TIBORレートもいずれ上昇するだろうが、長短、固定変動をミックスした、借入金の平均利率がここ数年で、例えば現在より1.0ポイントほども上がるのだろうか? あがるとすれば、物価上昇や賃料の収益等も増加してもいいはずだ。

 

ま、もともとキャピタルゲインを考えて購入したものではないので、現在持っている株は、銘柄入れ替えはあるにせよ基本保持。
機を見て追加購入も考えようと思っている。

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早期リタイアした隠居人の日誌